応用数理学科を志したきっかけは?
― 私が入学したときは学部一括入試でしたが、明確に応用数理学科に進もうと思っていたわけではありませんでした。高校生のときから数学が好きだったのですが、数学が実際に活用されるところまで関わりたいという思いもあり、応用数理学科を選択しました。
他には数学科、機械科学・航空学科と少し悩みましたね。今は学系別の入試になっていますが、それでも選択肢が多いのは基幹理工学部の魅力だと思います。

数学科との違いは?
― 数学の応用を視野に入れた学科なので、3年次に必修で実験があるのが大きな違いでしょうか。2年生までは基礎的な内容を学ぶため、数学科と授業内容に大きな違いはないのですが、3年生になると選択科目が増えてきます。私は工学的な分野にも興味があったので、流体力学、熱・統計力学、電磁気学などを選択しました。
実験の良いところは現象を目で確認できることです。数学の難しい理論は、人に説明してもすんなり分かってもらえることは、なかなかないですから。

高校までの数学と違うところは?
― 高校までの数学は計算に主眼を置いていましたが、大学に入ってからのノートを読み返してみると、ぜんぜん数字が出てこないんです(笑)。定義、命題についてばーっと文字が書いてある。式をこねくり回して、答えを出せば良いというわけではありません。
1年生のとき、小薗先生から微分積分の授業を受けたのですが、もう本当に難しかったです。高校生のときにイメージしていたのとはまったく違いました。1年生の間はついていくのがやっとでしたが、2年生になって時間に余裕ができてから、じっくり考えられるようになりました。自分の理解が深まっているのを感じられるようになって嬉しかったです。面白い、というのとは少し違う種類の感慨でした。
大学の数学は論理展開が大事で、量的にも膨大ですから、テスト前にちょこちょこっと勉強するだけでは太刀打ちできません。普段から理解を深めておく必要がありますが、学生時代にそういった時間の使い方ができるというのは幸せなことかもしれません。

目先の問題だけでなく、その背景や理論に目を向けて

大石研究室に進まれるそうですが
― 大石研究室では精度保証付き数値計算を主な研究テーマとしています。精度保証付き数値計算は、数学の中でも非常に新しい分野ですから、自分でも未知のことを発見したり、発展の手助けをしたりできるのではないかと考えて、大石研究室にお世話になることにしました。
今までの授業は数学の過去の蓄積を学ぶことがメインでした。これからは、結果としてたいした功績が残せなくても、新しいことに挑戦していきたいと思っています。大学に何年もいて、教えられるだけというのは嫌だな、という気持ちもあります。

受験生にメッセージを
― 大学受験でも、大学での数学を先取りしたような、思考力が問われる問題が出ることがあります。これは暗記だけでは解けない問題です。受験勉強は、どうしても目先の問題を解くことに必死で、背景や理論について理解を深める作業は後回しになりがちです。
本質をつかむというか、どうしてこういった定義ができるのかということを考えることで、思考力を問うような問題にも対応できるようになるのではないかと思います。そうすると、勉強も楽しくなって、モチベーションも上がるのではないでしょうか。
もっとも、私も高校生のときに、そういうことができていたわけではないので、自らの反省点でもあるのですが。

基幹理工学部・研究科へのお問合せ

受付時間:月〜金 9:00〜17:00、土:9:00〜14:00
〒169-8555 東京都新宿区大久保3-4-1
TEL:03-5286-3000 FAX:03-5286-3500
Email:fse-web@list.waseda.jp
入試に関するお問合せはこちら

Copyright ©Waseda University All Rights Reserved.