2017.10.03

スマートフォンに詰め込まれた思想と技術

コミュニケーションツールとしての思想

コミュニケーションは、人と人との間で情報が伝授され理解されることをいいます。理想的には、いつでも、どこでも、だれとでも、高品質で、簡単に、好きなやり方でつながることが望まれます。スマートフォンはこれらの要求条件をほぼ満たしている情報通信機器であると言えます。スマートフォンは携帯電話機能よりも小型モバイルPCとしての性格の方が強くなっています。しかし、当初の携帯電話の目標である、「いつでも、どこでも、だれとでも」という思想はそのまま受け継いでいます。

「いつでも」の観点からは、放送のような一方的な情報伝達ではなく、必要になった時にいつでも情報を手にいれることができます。「どこでも」の観点からは、通信機材のある場所にしばられないとう当たり前となった体にフィットした状態での使用を可能にしています。「だれとでも」の観点では現在、ほぼすべての人がモバイルコミュニケーション機器をもっているため、個人を特定するアドレスなどの情報を事前に手に入れておけば情報のやりとりが可能です。ただし、アドレスがなくても、検索エンジンの進化により、キーワードを入力して、コンタクトすべき相手の情報を調べることができます。さらに、通信速度の高速化・大容量化により、高品質の画像や音声、音響信号を伝えることができています。スマートフォンはPCと同様に、OSが搭載されプログラムの動作によって多くの機能が実現されます。PCではソフトウェアを注意して特定のフォルダにインストールするような作業が必要です。しかし、スマートフォンでは、OSに応じたアプリをダウンロートするだけで簡単に動作させることができます。アプリを提供するサイトには、目的別に多くのアプリが並べられています。好みのタイプのアプリで選ぶことができます。

スマートフォンの実現に必要な技術

スマートフォンの電子部品には、プロセッサ、フラッシュメモリ、DRAM、電源制御IC、タッチパネル機能付き液晶パネル、通信処理LSI、送受信IC、電力増幅器、アンテナ、加速度センサ、音声映像符号化IC、電池、などがあります。これらの部品内では信号やプログラムによってその動作が決められます。

動作原理の元となる技術には、電子回路技術、無線通信技術、ネットワーク技術、マルチメディア処理技術、アプリケーションプログラム、ヒューマンインタフェースなどがあります。一般的なユーザが目に見える部分は、アプリとメモリと充電バッテリ程度ですが、それは氷山の一角であり、大部分は目に見えない部分で動作しています。電子回路や無線通信などは、プロセッサやメモリなどのハード・ウェアに直結した技術です。通信処理LSIや送受信ICでは、データリンクの接続手順に従って通信処理がなされます。さらにネットワークプロトコルに従ってインターネットに接続されます。インターネットに接続された状態で、特定の形式にまとめられたデータをパケットとして送受信します。特に、マルチメディアを送受するためのプロトコルがサーバとの間で用いられます。また不特定多数の機器との接続により、安全性が脅かされる可能性もあります。そのためセキュリティ技術も重要な項目です。アイコン化されたアプリの動作は使いやすヒューマンインタフェースであることが大切です。ビデオや音楽といったマルチメディアは、スマートフォンにとって人気のあるコンテンツです。





このように、スマートフォンには、物理レイヤからアプリケーションレイヤまで、多層にわたる技術が詰め込まれています。情報通信学科はまさに、この物理レイヤからネットワークレイヤを経てアプリケーションレイヤに至る様々な技術の元となる基礎知識を獲得する学科です。今後、プロセッサの性能はさらに向上し、深層学習を利用した新しいアプリケーションが出現してくると考えられます。皆さんも私達と一緒に、次世代のコミュニケーションツールやサービスを作り出してみませんか?