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今しかできないこと、少しでも興味が湧くことを見つけて全力で取り組んで。

佐藤 麗菜(さとう れいな)

機械科学・航空宇宙専攻 修士1年

佐藤 麗菜

専攻や研究室を選んだ理由を教えてください。

昔からものづくりに興味があったので本専攻を選びました。その中でも今の研究室を選んだ理由は、大型の機械について興味があったことと、実験装置の充実度が高かったからです。また、共同研究も盛んであったため、成長の機会を多く持てそうと考えたことも研究室選びの決め手の一つです。実際に所属したのは数値解析のみを行う班でしたが、実験の手伝いで大型の実験装置に触れることもできるので満足しています。

現在取り組んでいる研究について教えてください。

突極型同期発電機(以下、同期機と略記)内部の空気流れ場と冷却性能の関係について、企業と共同で研究しています。同期機はタービン発電機として火力発電所や水力発電所など多くの場所で利用されており、近年は電力需要の高まりを受けてさらなる高出力化・大容量化が求められています。同時に、これらに伴う過剰な温度上昇を防ぐために設計段階での詳細な温度分布の推定や冷却性能の向上が技術的課題となっています。これらの課題を解決するためには同期機内の温度分布や冷却空気動を把握することが重要ですが、同期機内部は複雑な分岐流路を有していることや回転子が高速で回転していることから、同期機全体を対象とした実機計測や数値流体解析を行った研究報告は非常に少ないため、現在は部材の耐熱温度について余裕を大きく見積もった設計をすることで安全性を確保しています。しかし、さらなる高出力化・大容量化を実現するためにも同期機内の流れ場・温度場を詳細に調査することが重要とされています。そこで、流体・熱伝導連成解析を用いて同期機の内部流動と温度構造の関係性、またその関係性をもとにより冷却性能を向上させる同期機形状の最適化について研究しています。

専攻、研究、研究室の魅力について教えてください。

機械科学・航空宇宙専攻では、熱、流体、材料、構造など、機械に関する幅広い分野が学べるところが魅力です。その中でも私が所属する研究室は流体分野であり、実験装置が充実していることと、自分がやりたいと思ったことをサポートしてくれる環境がある点に魅力を感じています。教員との距離が近いことと、研究室のメンバー同士の仲が良いところも魅力です。昨年度の夏は指導教員と学生の数人で流しそうめんを楽しみました。また、しばしば午後のコーヒーブレイクが行われるのですが、そこで教員とフランクに会話できることで、研究に行き詰ったときに相談しやすい環境が作られていると思います。

学生生活の中で、学業や研究以外に打ち込んでいることはありますか?

重度身体障碍者を補助するアルバイトを4年間続けています。珍しい仕事ですが、自分が知らなかった世界と関われて良い経験となっています。私が担当している方はオーダーメイドの電動車いすを使っており、機械系の人間として興味深い部分も多くありました。また、障碍者福祉関係の展示会やカンファレンスに参加し知見を広げました。

今後の進路や目標、夢などについて教えてください。

今後は現在の研究テーマについてより詳しく調査したいと考えています。つい最近、従来研究していた同期機とは違うモデルの同期機について研究を始めました。大まかな形状は変わらないのですが、細部の形状は異なります。この形状の違いが空気流れ場や冷却性能にどの程度影響を与えるのかを解明したいと考えています。将来の進路としては、多くの人がより過ごしやすい社会を実現させたいと考えているため、生活に不可欠なサービスの質を向上させられる、インフラなどの社会基盤を作る仕事をしたいと考えています。

受験生や後輩へのメッセージをお願いします。

明確な目標を持って活動している人、気の赴くままに生きている人、周りに流されて生きている人など、いろんな人がいると思います。過去の私は自分の意志があまりなく、周りに流されるタイプの人間でした。しかし、就職活動を進める中で自分がこだわりを持っていることに気づきました。深く考えることなく惰性で過ごしていた過去の自分にアドバイスできるとしたら、「今しかできないこと、少しでも興味が湧くことを見つけて全力で取り組んで」と言いたいです。皆さんも後悔しないように過ごしてください。