仕事をしながら博士課程に進むという選択肢もあります。
森 啓華(もり けいか)
情報理工・情報通信専攻 博士3年
研究室を選んだ理由を教えてください。
森達哉教授の研究室(森研究室)に興味を持ったのは、森研究室がサイバーセキュリティ・プライバシーを専門とする研究室だからでした。
私は、高校生の頃に見たドラマがきっかけで、サイバーセキュリティに興味を持ちました。
そのため、大学受験では基幹理工学部を受験して入学し、学部2年次の学科配属では情報理工学科を選択して、コンピュータサイエンスについて広く学びました。学部4年次の研究室配属に向けて研究室を見学する中で、サイバーセキュリティに深く関わることができる森研究室を見つけました。研究室の様子を見に行くと、「こうなりたい!」と思う先輩方がたくさんいらっしゃいました。高校生の頃からの目標だった、サイバーセキュリティに深く関わることができるということに加えて、このような先輩方に囲まれて研究をできる環境も、魅力の一つに感じました。また、研究室見学で話を聞いていると、森研究室は、国際的な場での発表機会もたくさんある研究室であるということがわかりました。国際的に活躍することも私の目標の1つだったので、迷わず森研究室を選びました。
現在取り組んでいる研究について教えてください。
企業のプライバシー対応に関する研究をしています。特に、企業がウェブサイトに公表しているプライバシーポリシーに着目して、プライバシーポリシーが読みやすいものになっているか、必要な情報を適切に公表できているか等の分析を行っています。
企業はサービス提供のためにユーザの個人情報を取得、利活用しています。その取得目的や利活用方法について、ユーザからの理解獲得や法令遵守のために、プライバシーポリシーを通じて公表しています。
しかし、ユーザの個人情報を利活用するビジネスの変化は激しく、プライバシーポリシーを適切にアップデートすることは難しいです。また、法令の要求に合わせた記載をする必要があるため、記載内容は長く複雑になる傾向があります。
これらの問題を解決して、ユーザが安心してより便利にサービスを利用できる社会を目指し、研究を行っています。
博士課程に進むきっかけ、進んで良かったこと、進もうとしている学生に対して一言など、コメントをお願いします。
私は、森研で修士課程を修了した後、一度大学から離れて、会社で働き始めました。会社では、研究者として働いています。その中で、研究者としてより成長し活躍するために博士課程に入学したいと思うようになりました。博士課程の入学先として森研究室を選んだのは、学部や修士課程の頃の森教授との研究議論が楽しかったからです。森教授のご協力と会社の先輩の後押しもあり、スムーズに入学することができました。私は現在会社にも所属しており、森研究室には社会人博士として在学しています。所属が会社と早稲田大学の2箇所になったことにより、研究議論の場が増え、より多くの方々と交流できるようになりました。
今後の進路や目標、夢などについて教えてください。
プライバシーの分野において、世界で活躍する研究者になりたいです。
現在はプライバシーポリシーに焦点を当てていますが、今後は企業がどのようなプライバシー対応を取るべきなのか、より広く調査・分析していきたいです。世界で活躍という点では、国際会議での発表も増やしていきたいです。
また、私の研究内容は企業で実践・活用されてこそ意味があると思っています。会社で業務経験を積んでいる強みを活かして、研究成果をビジネスで活用できるようにしていきたいです。
受験生や後輩へのメッセージをお願いします。
研究が面白いと思ったら、ぜひ博士課程への進学も視野に入れてみてください!修士課程を修了後すぐに博士課程に進学するという選択肢もありますし、私のように仕事をしながら博士課程に進むという選択肢もあります。私の周りで社会人博士として入学している方々を見ていると、それぞれ働き方に合わせて柔軟に博士課程の研究の進めている印象を受けます。キャリアプランに合わせて、ぜひ博士課程への進学も選択肢の一つとしてみてください。