コンピュータのその先へ

皆さんは普段いくつのコンピュータを使っているでしょう?まず間違いなくパソコンはコンピュータとして認識され使われていることでしょう。その他にはどうでしょう?よく考えてみるとスマートフォンもパソコンと同じようなことができるので、コンピュータの一種ですね。

まだ他にはないでしょうか?

まだまだあります。テレビ、ディジタルカメラ、自動車など身の回りの様々なものの中で、それぞれコンピュータが使われています。自動車に至っては現在では数十ものコンピュータのチップが搭載され、エンジンを制御したりカーナビに使われたりしています。それ以外でも、日々の天気予報、ネットショッピング、スーパーやコンビニエンスストアの商品管理など、普段の生活で無意識のうちにコンピュータを使った様々なサービスを利用しているはずです。このように、既にコンピュータは日常生活の様々な場面で利用されており、現代社会はコンピュータによって支えられていると言っても過言ではありません。

それでは、なぜこのように幅広い用途でコンピュータは利用されるようになったのでしょうか?

そもそもコンピュータは数値を処理する機械です。数値と言っても基本的には0と1しか扱うことができません。しかし、いったん何かの情報を0と1で表現することができれば、その情報はコンピュータに蓄え、そして処理することができます。数値も文字も映像も音声も気温も湿度も雨量も商品の売買量も、全て一緒くたに扱うことができます。しかも技術の進歩により、年々より小さなコンピュータでより高速に。

コンピュータはこのように様々な種類のデータを入力として受け取り、あたかも化学反応を起こすかのように別の種類のデータを作り出し、種々の手段により現実の世界に作用します。データだけではありません。コンピュータ同士もネットワークで結ばれています。それらの間でデータをやり取りしそして加工することで、より多くのサービスが可能となりました。これがコンピュータの力の源であり、世の中になくてはならない存在となった理由です。

では情報理工学科では何を学ぶのでしょう?

コンピュータは高い能力を持っていますが、それ自身が自分で何かをするわけではありません。情報を扱う原理を考案し実際に指示するのは人間です。コンピュータを動かす仕組みは人間が考え出し、実際のシステムとして人間が構成しなければなりません。そして何より大切な、コンピュータに何をやらせるのかは人間が生み出さなければなりません。

このような、コンピュータの原理、仕組み、そして使われ方を学びます。さらにこれらを根幹として非常に幅の広い研究分野が広がっており、そのような幅の広い研究を行う教員と学生がこの学科では一緒くたになっています。

そう、情報理工学科では様々な研究を入力とした化学変化を起こして、世界をより豊かにする出力を生み出そうとしています。コンピュータのその先を目指して。