実体情報学博士プログラム

未来を拓く「システム・ネクスト」リーダーの育成

実態情報学

実体情報学博士プログラムは、文部科学省博士課程教育リーディングプログラムとして、平成25年度に採択 (複合領域型(情報)) されました。大学院5年間一貫の教育体制のもと、イノベーションを先導するグローバルリーダーを育成し、国内外の産業界に送り出すことを目標としています。

実体情報学とは?

「実体情報学」 (Embodiment Informatics) というのは、恐らく聞きなれない言葉かと思います。これは当然のことで、本プログラムの実施によってこの言葉が指す学問領域を確立することを目指しています。しかしながら、その趣旨は「情報技術が持つコンピューティングベネフィット (計算の効果)、通信技術が持つネットワークベネフィット (資源共有の効果),機械技術が持つボディベネフィット(実在と力の効果) の複合的価値創出を指向する中で、生産、医療、環境といった重要分野におけるアプリケーションベネフィット (問題を解くこと自体の直接的価値) を導く融合学」という点にあります。このため、6研究科12専攻が本プログラム構成上の母体となっています。

特色ある教育カリキュラムとサポート体制

機械系学部、出身の学生は情報系科目を、情報系学部出身の学生は機械系科目を履修することで幅広い工学的センスを身に付けられるようカリキュラムを構成しています。授業以外では、企業との連携や海外連携を早くから経験することで、グローバルリーダーとしての素養を養うための機会を提供します。また、機械系・情報系のさまざまな研究テーマに取り組む学生たちが、お互いが持つ方法論の強さや問題点を肌で感じながら異分野の方法論を体験的に理解し、幅広い問題解決パラダイムを体得できるようなグループワークを設定しています。さらに、本プログラムで目指すグローバルリーダー像に必要となる語学力・コミュニケーション力を養うための英語研修や、経済的に多大な不安を感じることなく学業・研究に専念することを可能とする奨励金制度などの側面からのサポートも充実しています。

工房: 学問的刺激に満ちた主体的研鑽の場

上記のような特色に加え、本プログラムならではの特徴として、人材育成を促進する場としての「工房」(写真) があります。工房は、西早稲田キャンパスから徒歩数分のラムダックスビルのワンフロアにあります。工房内を明確に仕切る壁などはなく、授業やミーティングを行うエリア。実験やモノ造りを行うエリア。自由な談話を通じて新たな発想を生み出すためのリラックスエリア。そして、専任教員・スタッフの作業エリアまでもが、見通しの良い空間に効率的に配置されています。ここでは、選ばれた講師による質の高いコロキュームを定常的に開催するとともに、その議論の延長を楽しむティータイムミーティングなども行われています。以上すなわち工房とは、指導教員の研究室からは独立した日々の研鑽の場であり、広い分野の研究者が集い刺激し合うことで新しい発想が生み出せる場です。本プログラムの参加学生は、この場を最大限に活かすことが求められます。
工房2

スタートの1年、そして、これから

2014年度は、本プログラムの実質的なスタートの年となりました。計18名の進入生を迎え、コロキューム(計8回)、イノベーション研修、海外語学研修、多種多様なワークショップ、海外講師を迎えてのシンポジウム、理工展への学生の自主参加など、試行錯誤しながらも実りある活動を行ってきました。2015年度からは、他大学リーディングプログラムとの合同ワークショップやサマースクールなどを実施し、活動の範囲をさらに広げていく予定です。実体と情報が織りなす最先端の技術領域でイノベーションを達成し、世界に飛躍しようとする意欲ある学生諸君の参加を心より期待しています。